つくば市主催 研究シーズ事業化支援プログラム「つくば STARTUP INCUBATION PROGRAM 2022」DEMO DAY開催リポート

社会課題解決にチャレンジしようとするディープテックスタートアップや起業希望者の事業化を支援する「つくば STARTUP INCUBATION PROGRAM 2022」のDEMO DAYが、2023年2月22日に開催されました。

このプログラムは、つくば市のヴィジョン実現のための一つの取り組みとして、技術力やアイデアに優れたテクノロジー系スタートアップや、社会課題の解決につながるような技術をもつ有望な起業希望者を対象に、メンターからの短期集中支援を通じて日本のリーディングカンパニーとなるスタートアップへと急成長する機会を提供することを目的としています。

ライフサイエンス、ロボット、エネルギー、ナノテクノロジー、物質・材料、情報サービス、環境、宇宙、農業・食品、国土管理防災をテーマに、技術シーズを事業化する方法が知りたい、起業への一歩を踏み出したい、起業を目指す仲間と出会いたいと考えている研究関係者を対象としたプレシードプログラム、資金調達を実施したい、経営人材やパートナー企業を探しているシード期の研究開発型スタートアップを対象としたスタートアッププログラムの2つのプログラムで参加者を募集し、昨年10月に採択者6者が決定しました。

その後、4ヶ月間に渡り研究開発分野での経験が豊富なメンターや専門家のサポートで支援を続けてきました。

今回の DEMO DAYは、その事業計画と事業成果を発表する場です。当日はハイブリッド形式で開催され、会場とオンラインに合計73名の方が集まりました。登壇するのはプレシードプログラムから4名、スタートアッププログラムから2名、計6名の皆さんです。

開会にあたり、最初に挨拶したのは、つくば市政策イノベーション部スタートアップ推進室・屋代室長です。

「つくば市は2018年から本格的にスタートアップ支援を開始し、現在は全国からも“スタートアップ支援が進んでいてがんばっている”との声をいただいています。2019年10月には、つくばスタートアップパークという市営のインキュベーション施設を作りました。これまで以上にスタートアップに関わる支援機関と連携するためです。創業間もないスタートアップなどを中心に成長支援をしていますが、我々つくば市役所や茨城県の力だけではまだまだ支援は足りませんので、今日ご参加いただいた皆様にご協力いただくことがとても重要だと思っています。ぜひ登壇者の方と繋がり、コミュニケーションをとっていただき今後につなげてください。」

会場にはコメンテーターとして、インキュベイトファンド アソシエイト 田中 洸輝さん、株式会社ゼロワンブースター 執行役員 桑田 靖章さん、株式会社みらい創造機構 共同創業者 / 取締役 金子 大介さんにご参加いただきました。そしていよいよ、採択者によるピッチがスタートです。

1.国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 岩城 陽大さん
事業名:スタートラッカを用いた宇宙状況監視による衛星衝突回避 SaaS

JAXAで働く岩城さんのテーマは「地球の暮らしと宇宙の未来を守る宇宙交通事故防止ナビ」です。

岩城さんは「現在の私たちの生活は、多くの宇宙技術の上に成り立っており、宇宙交通事故の連鎖によって、これらがある日突然使えなくなってしまうリスクがある。」と話しました。経済協力開発機構OECDの試算によると、その場合の経済損失額は25兆円以上。ハリケーンや洪水といった自然災害250個分に当たります。2029年までに57,000機以上の商業衛星の打ち上げが予定されており、宇宙はどんどん混雑していくことに。不要な宇宙ゴミの除去や使い終わった衛星の適切な廃棄とともに、貴重な衛星と宇宙ゴミがぶつからないための衝突回避が必要です。

岩城さんのプロジェクト“SaaS型の衝突回避ナビ”はすべての操作を自動化し、宇宙交通事故を防ぎます。これまで衛星運用者は、衝突回避のアラートが来ると24時間365日いつでも対応が必要でしたが、このナビがあれば、宇宙交通事故防止の安全性を向上しながら、運用の負荷とコストを低減できます。また、スタートラッカという多くの人工衛星が標準搭載しているカメラで、宇宙物体のデータを効率的に収集、解析するための研究を進めています。今後は衝突回避ナビだけではなく、あらゆる宇宙活動にソリューションを提供していくことを目指したいと話しました。
JAXAに所属する岩城さんは、この分野の国連でのルール作りに携わってきました。宇宙交通事故問題の解決策を日本から世界に発信し、宇宙の環境を守ることで、宇宙開発の発展と地球社会の発展に貢献したいと話しました。

質疑応答では桑田さんから「リアルタイムで、フィードバックすることができますか?」との質問があり、岩城さんは「スタートラッカを利用することで、軌道上のネットワークを築けるのがメリットであり、不足の事態や予測していなかった事象などについてもリアルタイムで確認することができます。」と答えました。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 岩城 陽大

分 野:
宇宙
事業名:
スタートラッカを用いた宇宙状況監視による衛星衝突回避 SaaS

2.東京大学大学院 大木 碩仁さん
事業名:腐食性昆虫を利用した廃棄物処理と飼料化ビジネス

東京大学大学院の大木さんのテーマは「食品廃棄物を利用したミズアブ循環技術の社会実装化」です。

大木さんは、食品廃棄物の問題は私たちが考えるよりも深刻であること、日本では焼却や埋め立て処理といった環境に優しくない方法で処理されていることを指摘しました。そこで、提案したのが環境負荷を与えずに廃棄物を循環させるミズアブ循環技術です。
ミズアブの幼虫は非常に食欲が旺盛で、食品ロスや農業残渣、家畜排泄物までさまざまな有機物を食べてしまう類い稀な生き物で、ミズアブ処理技術の大きな利点は、価値のない廃棄物(ゴミ)から農作物の有機肥料と、均一な動物性タンパク質が回収できること。さらに、得られたタンパク源は畜産や水産養殖の飼料としてアップサイクルできる点も注目に値します。ただし、社会実装を目指す上では、解決すべき技術的課題があります。最大の課題は、飼育に多くの手作業が必要ということで、飼育全般に要する費用を試算すると、人件費が大部分を占めており、なかでも大木さんは、幼虫を生産する採卵技術が最適化されていないことに問題意識を持っていると話しました。
大木さんは、採卵作業を半自動化することで、人件費を大幅に抑える技術を開発し、現在、特許申請を進めています。確実に採算が得られる最小単位の事業モデルを構築するために、すでに需要があるマーケットへ選択的に参入し、今後の技術開発とともに着実に成長できる戦略を立てています。その後は、食品メーカーや産廃処理業者など規模に応じたミズアブ処理の普及を図ることで、さまざまな地域の協力企業全体で国内の廃棄物問題に取り組んでいきたいと考えているそうです。ミズアブ循環技術は、日本の焼却割合を減らすためにも、実用化が期待される技術と言えるでしょう。

質疑応答では桑田さんから「ミズアブでのアプローチのバリュー」について聞かれた大木さんは「海外ではすでに多くのスタートアップが多額の投資事業として進展していますが、廃棄物を一箇所に集積して、水産養殖や家畜に向けた飼料を大量生産するようなビジネスモデルは、日本ではまだ向いていません。まだまだ技術開発の積み上げが必要だと思っています。スタートアップとして、市場規模は比較的小さいけれど、単価が高い。現在はそういったマーケットに商品としての価値があるだろうと考えています。」と答えました。

東京大学大学院 大木 碩仁

分 野:
農業・食品
事業名:
腐食性昆虫を利用した廃棄物処理と飼料化ビジネス

3.東京理科大学 高松 利寛さん
事業名:目に見えないものを可視化する近赤外分光イメージング内視鏡の事業化

東京理科大学・国立がん研究センターの高松さんのテーマは、「外科手術におけるイメージングデバイスの開発」です。

現在の医療現場では、小さなポートから内視鏡を入れてカメラで画像を確認しながら手術するそうですが、表面しか確認できません。そこで、深部の組織を可視化したいという要求に対し、新しい内視鏡イメージング装置を開発。活用した技術は近赤外ハイパースペクトラルイメージング(NIR-HSI)といって、赤外光が生体を約10mm程度透過する特徴と、カメラの1画素ごとに分光する技術、スペクトルから色味の似た組織をAIによって分類する技術を組み合わせたものです。画像は光学設計によってICG蛍光や共焦点に匹敵する解像度で取得することができると話しました。

高松さんは、これを先天性の腸疾患である「ヒルシュスプルング病」の診断に使えると考えています。この病気は腸管の異常部を切除することで根治しますが、切除範囲が子供の将来のQOL(Quality of life)に大きく影響するため、腸管深部のどこに神経があるかを正確に見極める必要があります。現在は術中に病理検査で神経の存在を確認していますが、結果判定までに長いときには3時間要することや、病理医の専門知識が必要といった診断の難しさがあり、このような対象をNIR-HSIによって可視化が期待できると話しました。内視鏡手術分野への展開も考えているとのことで、例えば、大腸癌は腸管を病変ごと切り取る必要がありますが、腸管は体と接着しているため、剥離する際に組織深部に埋まって観測できない血管や神経を傷つけてしまうリスクがあります。そのため、術野不良 になることや、排尿障害、性機能障害を引き起こす危険性があり、組織深部の可視化が望まれているそうです。こうしたニーズにも、NIR-HSIが活用できると高松さんは話しました。導出する医療機器はClassIIで、市場価格1,000万円の売り切りで考えているとのことです。小児用医療機器の市場規模は小さく海外でも100億円程度と言われていますが、小児用医療機器の開発支援制度を活用して、低コスト短期間で薬事承認へと展開し、その後2,300億円程度の市場規模を持つ内視鏡手術分野に転用を目指しているとのことです。そして、NIR-HSIで、医師と患者の負担を軽減して、QOLの向上、未知の病態解明に貢献していきたいと話しました。

質疑応答では、金子さんから「日本よりも海外の方が価値を感じてくれる傾向にある。海外の投資家とコミュニケーションを取っていますか?」という質問があり、高松さんは「海外の方とは未だです。」と答えました。金子さんからは「我々も紹介できますので、ぜひ早めのアプローチを検討されると良いかと思います。」とアドバイスしました。

東京理科大学 高松 利寛

分 野:
ライフサイエンス
事業名:
目に見えないものを可視化する近赤外分光イメージング内視鏡の事業化

4.筑波大学 矢作 直也さん
事業名:重心動揺計による軽度認知障害(MCI)早期発見事業

筑波大学の矢作さんのテーマは「重心動揺計による軽度認知障害早期発見事業」です。

認知症が急増する中、認知症の前段階であるMCI(Mild Cognitive Impairment)に着目。MCIからの認知症移行率は約5年で半数にも及びます。しかしMCIの発見は難しく、そのための検査には高額な費用や時間がかかります。ただし、適切な介入を行うと、二割から四割ぐらい回復するため、認知症を減らすために、その介入ポイントを見極めることが重要と言われています。

そこで矢作さんは、重心動揺計を使ったバランス能力測定でMCIのスクリーニングを行い、早期治療につなげることを目指しました。重心動揺計を使用したバランス能力測定は、従来の認知検査などと比べて低コストです。体重計のような機器に乗り、前後左右に10秒ずつ姿勢を傾けた際の重心位置を計測することで、バランス能力の低下を判定できます。ただし、この重心動揺計は医療機器のため高額な導入コストがかかります。そこで矢作さんは、任天堂株式会社のバランスWiiボードを使用したソフトウェアを開発し、400万円前後の医療機器に匹敵するデータを収集することに成功しました。薬局であるウェルシアでの市場性のテストも行われ、40人中、約半数が該当、人間ドックで精密検査したところ18名中16名が認知機能低下という結果になりました。今後は「つくばハピネスライフ研究」としてつくば市の高齢者の1万人のデータ収集を、つくばスーパーサイエンスシティ構想とタイアップして実施していく予定です。
また、薬局、認知症カフェ、フィットネスクラブなどでのMCIスクリーニングを実施し、1万人のデータ収集に取り組み、認知症を早期発見し、治療につなげることで社会に貢献したいとのことです。

質疑応答では桑田さんから「認知症の検査に抵抗がある人へのアプローチは何か考えていますか?」との質問があり、矢作さんは「バランス測定、身体能力チェックですという形で受けていただくので心理的ハードルは低いでしょう。審査に引っかかった人は血液検査へ誘導します。以前は髄液検査が必要でしたが、新しいバイオマーカーで簡単に血液から認知症診断ができるようになることがわかっています。」と認知症検査の普及への期待を語りました。

筑波大学 矢作 直也

分 野:
ライフサイエンス
事業名:
重心動揺計による軽度認知障害(MCI)早期発見事業

5.株式会社amulapo 代表取締役兼CEO 田中 克明さん
事業名:ICT 技術を用いた宇宙体験サービス

株式会社amulapoの田中さんのテーマは「AR・VRなどのデジタル技術を用いた宇宙バーチャル体験サービス」です。

アポロの月面着陸から50年、宇宙産業はますます加速してきます、と田中さんは語ります。現在の宇宙産業市場は、40兆円から50兆円ほどですが、段階的に上がり、2050年には200兆円から300兆円へと拡大すると予想されており、宇宙業界が自動車産業と同様に世界的に注目を集めているようです。ところが、宇宙開発には課題も多く、開発の場所や人材不足、資金調達など、様々な問題が浮き彫りになっています。

このような宇宙産業の課題を解決するため、地域課題と掛け合わせて、地域産業を活性化することができるのではないかと田中さんは考えましたが、宇宙産業が受け入れられるのは難しい現状があります。そこで、科学技術を分かりやすく伝える手段として、デジタル技術が有効であると考え、AR・VRやAIなどのデジタル技術を用いた宇宙コンテンツを制作しました。代表的なコンテンツは、小学校高学年向けのバーチャル宇宙飛行士選抜試験です。このコンテンツは、宇宙飛行士になるための体験プログラムとしてXRで宇宙空間に行き、知識と体験を深められるというものです。このように、科学に興味を持つきっかけとなるコンテンツを制作している田中さんの強みは、ICT(デジタル)技術を持つ専門家による最先端の科学技術を届けられること。メディアでの放映実績も出ており、ナンバーワンのユーザー数があるB to Cプラットフォームを目指したいと考えているそうです。
現在の教養・娯楽費用は20兆円、宇宙エンタメとしては2兆円規模になると言われているそうですが、宇宙エンタメとしての可能性も広がっており、飲食店との連携や、企業とのコラボレーションなど、様々な業界との連携が期待できるようです。

質疑応答では金子さんから「JAXA筑波宇宙センター(つくば市)と鳥取、2つの地域で進めているのはスタートアップとして素晴らしいと感じています。2つの自治体と関わる心構えを教えてください。」との質問があり、田中さんは「私は茨城県の出身で、地元でも何かできればと考えていました。ちょうど茨城県が宇宙ビジネスを推進し始めたタイミングで、自分の技術を地域活性化として恩返しできないかと考えた時に、茨城県やつくば市からも支援していただきました。今は恩返しをしている状況です。鳥取県も同様ですが、スタートアップのすべきことは、自治体の皆さんからのサポートに感謝しつつも、徐々に民間ビジネスに移行していくことだと考えています。」と答えました。

株式会社amulapo 代表取締役兼CEO 田中 克明

分 野:
宇宙
事業名:
ICT 技術を用いた宇宙体験サービス

6.プライムビーン株式会社 代表取締役 細谷 雄一さん
事業名:添付ファイル暗号化用パスフレーズ生成/解析プログラム

プライムビーン株式会社の細谷さんのテーマは「「PPAP難民」のための添付ファイル暗号化・解析ソリューション」です。

Web3の研究開発を行うプライムビーン株式会社は、2019年に設立した筑波大発ベンチャー企業です。細谷さんは「PPAP」についての課題解決のための暗号化メールソリューションについて発表しました。
(PPAP:次の4つの頭文字を取ったもの。Password付きzipファイルを送ります。Passwordを送ります。An号化(暗号化)。Protocol(プロトコル))

これまでメールで重要なファイルを送信する際、ファイルを暗号化してパスワードを別途送信する「PPAP」いう手法が一般的でした。しかしこれは手間がかかり、利便性が低いことが問題となっています。大企業では、重要な情報が多く取り扱われるため、セキュリティ強化が必須です。そこで同社は暗号化メールソリューションを開発しました。現在は、iPhoneやGoogle、Microsoftのプラットフォームを利用し、無償のアプリケーションを提供する戦略を考えています。パスワード管理をシステム管理者へ委託することで、パスワードつき添付ファイルを容易に扱えるようになるほか、初期導入コストが低く、誤送信対策も実現しました。パスワード管理や対策への連携などの有償サービスも提供しており、適切な業務効率化やセキュリティ強化を図ることができます。使用するファイル形式に制限はなく、送信するファイルの種類に関係なく利用することができるほか、また応用の可能性として、メールだけでなくビジネスチャットやSNSなどに幅広く使うことができると話しました。

質疑応答では、田中さんから「大企業に務めていた時、セキュリティ対策に係わる労力が多く、非常に効率が悪いと感じていたので、非常にいいなと思いました。新技術DAPP(Device-Authenticated Password Protocol)との違いを教えていただけますか。」との質問があり、細谷さんは「暗号化メールソリューションとDAPPとの違いは、ファイルに対する暗号化のみに特化していることです。端末に対する制約は設けておらず、より柔軟な利用が可能です。DAPPは、PCの操作制限を行うツールであり、それによって情報漏洩を防止することができます。しかし、その一方で、PCの操作に制限がかかるため、ビジネス上の利便性が低下することがあります。弊社の暗号化メールソリューションは、情報漏洩対策に特化しているため、ファイルの送信に関してはより柔軟な利用が可能です。」と答えました。

プライムビーン株式会社 代表取締役 細谷 雄一

分 野:
情報サービス
事業名:
添付ファイル暗号化用パスフレーズ生成/解析プログラム

会場では最後まで、熱心にプレゼンテーションに耳を傾ける参加者の皆さんが見られました。最後に、今日ご参加いただいたコメンテーターの皆さんと、つくば市の屋代室長から、一言ずつ総括をいただきました。

田中さん「多くの方々が、人類全体が抱える社会課題や、国内外で顕在化している問題に対して取り組んでいることが印象的でした。具体的には、食品問題や宇宙開発、健康など様々な課題に対して、独自のアイデアや技術を活用して取り組んでいる方々がいらっしゃいましたし、今後もこうした方々の活動が続くことで、社会に対する貢献が期待されます。」

桑田さん「斬新なアプローチや切り口で、勉強させていただきました。様々な課題解決策から未来が創られていくことに明るい未来を感じられましたね。後は、皆さんの事業のバリューはもっと解像度を上げられると感じました。社会に提供できる価値をよりクリアに伝えるために、お力添えできることがあればお気軽にお声掛けください。」

金子さん「取り組まれる課題が多種多様な上、皆さん説明もわかりやすく好感が持てました。宇宙・健康など、つくば市らしさが垣間見られる内容でしたね。東京でこうした機会に恵まれたことで、現地で聞かないとわからないことが聞けて嬉しく思いました。できることから支援させていただければと思います。」

屋代室長「つくば市では、多くの研究者たちが活躍しています。今回のイベントでも、その研究者の皆さんが抱える課題や、自身で目指すスタートアップについて語られていました。研究者自身が持つ技術シーズ自体というよりも、そのシーズを持つ研究者自身がつくばの強みであると私は思います。今後も、研究者の皆さんがより多くの社会貢献を果たすために、支援する側も含めて、多角的なアプローチが求められることでしょう。その中で、冒頭申し上げた通り、行政の力だけでは成し得ない事が多々ありますので、ぜひみなさまのご支援もよろしくお願いします。」

ピッチ終了後はネットワーキングタイムが設けられ、コメンテーターや参加者の皆様が入り混じる和やかな雰囲気で、参加者同士の活発な情報交換や、ネットワーク構築の場となりました。様々な分野で取り組まれている方々が参加した今回のイベント、各々が抱える課題に対し独自のアプローチで取り組んでいる様子に、皆さんも刺激を受けたのではないでしょうか。

今後もつくば市では、研究・教育機関が集積する強みを活かし、技術系スタートアップや起業家の成長をサポートしてまいります。今後もつくば発のスタートアップにご期待ください。